先週、タイはバンコクで開催されたTechsauce Global Summitというスタートアップ・カンファレンスに参加してきた。
タイは数えてみると実に7年ぶりの訪問だ。当時、クライアントであった某大手小売会社のサポートで、何度かバンコクを訪問したことが懐かしい。
コンサル・MBA上がりのクライアント取締役から、自分達のアドバイスをけちょんけちょんに言われて悔しい思いをした記憶がある。
彼も実業経験がないはずではあるが、結局大した経験や実績も無く、第三者としてアドバイスをしても大して信頼も重宝もされないんだなと、今になるとよく分かる。
バンコクの街はかなり発展していた
その頃と比較すると、バンコクの街は発展し、特に日系のレストランや店舗が圧倒的に増えた気がする。日本にいるのではないかと錯覚した位だ。
新しい大きなショッピングモールに日系のテナントが多数入居している。
新たに即位したタイ国王の写真も街の至るところにあった。(タイの友人に聞くと、尊敬されていた前国王とは180度異なり評判は良くないw)
一方、渋滞は更にひどくなっていて、帰りに市内から空港までタクシーで2時間かかり、もう数分遅れていたら危うく飛行機を乗り過ごすことに。
間一髪とはまさにこのこと。最後の乗客になったのは初めてだ。待っていてくれたCathayの人にはお礼を言った。そしたら、「It’s not only you.(あなただけじゃないのよ。)」とのこと。遅刻者が多いらしいw。
友人に話したら、次回訪問時は電車を利用すべしとのこと。
タイ最大のテックカンファレンスTechsauceに初参加
Techsauceは、多くの参加者が主にアジア各国から集まっていて、賑わいを見せていた。
スピーカー・セッションは友人が出ていたのを少し見て、他はずっと起業家や知り合いの投資家とミーティングを持つことに。
主催者が用意したシステムで、参加者用のSNSのようなサービスがあり、ミーティングのリクエストを送ったり受けることができる。
そこで沢山のリクエストをもらい、スケジュールが許す限りミーティングを繰り返した。
Eコマース関連、不動産テック、B2B SaaS、トラベル分野のスタートアップを立ち上げた起業家達だ。
タイのスタートアップの感覚を得るため
今回Techsauceに参加した一番の目的は、タイのスタートアップについて感覚を得ることだった。
事前に、知り合いの投資家から「タイは日本と似ていて内で完結していて、閉じているマーケット。東南アジア全体に展開する・出来るスタートアップの少ない。」と聞いていた。
GDP per capitaが東南アジア内では高く、人口が約7,000万人とやや多いので、タイ国内で競争が激しくなく、スタートアップにとって勝負しやすい快適な市場環境になっているのだろうか。
幾つかミーティングを重ねて同じことを思った一方、例えば外国人としてタイで事業を始めた起業家は、タイ国外への展開を既にしていたり具体的に計画していた。
投資マネーについては、CVCが主なプレーヤーになっていて、一部そこに外国のVCが入ってきているくらいだ。従って、お金がだぶついている印象は持たなかった。
僕としては、インドネシアのように投資家が殺到しているマーケットではないのでまだ入っていく余地はあると感じた。
一方で、タイ国内のみを狙っている会社は基本的にスケールが限られるので、東南アジア全体を狙っていける事業や起業家と機会があれば、投資できればと思う。
さいごに
ここ最近は、友人や共同投資家、既存投資先から筋が良いと思う投資案件の紹介が増えてきた。
投資したい会社数が自分で投資できる会社数を超えている状況なので、今はその中で特にピンと来る会社に投資させてもらうと同時に、投資先に自分ができる最大限のサポートをして、企業価値向上に貢献することにフォーカスしていきたい。
まだまだだが、人や投資先の紹介について徐々にフローが出来てきたので、引き続き地道に一つ一つ実績を積み重ねて前進していければと思っている。
VC投資もスタートアップも、時間がかかるビジネスだなと実感しているところだ。
時間とお金をかけてスタートアップ・カンファレンスに参加する意味はあるのか?