2019年に読んだ面白いおすすめ金融・経済小説4選!

今年も12月の終わり。香港は身の危険を感じるほどピリピリした期間があったが、先月過激な学生の多くが立て籠もった大学で、逆に彼らが一網打尽で逮捕されて以来、平穏の日々が続いている。

香港人の大半は中国によるこれまで以上の政治的制限や関与を嫌っているので、これからも平和的なデモは続くだろう。

だが、建物を壊したり焼いたり、暴力や発砲といった過激な騒動は一先ずおさまったと僕は見ている。

経済的な打撃は別の話で、既に小売や不動産、航空など多くの業界で影響が出ているが、それは来年にかけても継続、更に増幅するだろう。

香港国内の需要は変わらないが、中国人やその観光客の恩恵を受けていた業界は大打撃を受け、それが来年さらに表面化するはずだ。

2019年に読んだおすすめ金融・経済小説

さて、今回は、僕が「2019年に読んだおすすめ金融・経済小説」を挙げたいと思う。

最近は家でも作業することが多く時間は減ってしまったものの、僕はランチ予定のない昼休みや寝る前に色んな本を読んでいる。

今回はその中でも経済・金融小説に絞っておすすめを紹介していこう!

タックスヘイヴン

橘玲氏の代表作の一つ。タックスヘイブンの一つであるシンガポールを舞台に、スイスのプライベートバンクに送ったはずの1,000億円もの金が消え、それに関わったプライベートバンカーが死ぬ、という話。

読者の裏をかいて進んでいくスリル満点のストーリーに加えて、要所要所で出てくるマネーロンダリングや金融の仕組みが面白い。小説なので脚色はあるが、大まかな全体像や感じはおそらく実在していて、それを垣間見れるのが興味をそそる。

読み物としてはもちろん、知的にも刺激される一冊。

「タックスヘイヴン」の評価
知的興奮度
(3.5)
ストーリー性
(4.0)
読みやすさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

マネーロンダリング

再度、橘玲氏の代表作。上で紹介したタックスヘイブンの姉妹作。今度はシンガポールと同じくタックスヘイブンである香港を舞台に描かれた小説。

ストーリー性と国際金融の仕組みが面白いのに加えて、香港の色んな名所や自分が知らなかった場所や歴史も丹念なリサーチの上に書かれていて、それらも面白く勉強になる一冊。

「マネーロンダリング」の評価
知的興奮度
(3.5)
ストーリー性
(4.0)
読みやすさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

国家とハイエナ

巨大投資銀行など、投資銀行関連の経済小説で有名な黒木亮さんの一冊。

現在も実在し、4兆円もの巨額マネーを運用する巨大ヘッジファンドのElliott Managementをベースに書かれた小説。

企業の株式はもちろん、アルゼンチンやコンゴが破綻した後の国債を安く買い取り、国を相手にアメリカで裁判を起こす。そして、彼らが保有するタンカー等のハードアセットをおさえて売り飛ばすことでリターンを稼ぐという、小説顔負けのえげつない投資の様子が詳細に書かれている。

細かな脚色はあるにせよ、大筋の話は事実を元に書かれているはずで、まぁスゲー投資するなと感心というかもはや驚き。

ちなみにElliottは日本の上場企業や、最近では、以前本田圭佑さんが所属していたAC Milanを買収したりしている。

運用額が大きくなり過ぎ、上場株式だけにとどまらず、プライベートエクイティにも手を広げているのは、他ヘッジファンドと同じか。

「国家とハイエナ」の評価
知的興奮度
(4.5)
ストーリー性
(4.0)
読みやすさ
(3.0)
おすすめ度
(4.0)

プライベートバンカー

元読売巨人軍の球団社長を務めた清武さんの代表作の一つ。小説というより、ノンフィクション。

上で紹介したマネーロンダリングと同じく、シンガポールを舞台に暗躍するスイス等のプライベートバンカーと、その顧客である富裕層についての話。

顧客である富裕層の面々が個性が強く彼らのバックグラウンドや数奇な人生のストーリーがかなり面白い。事実は小説より奇なり。加えて、税金を逃れる金融手法やプライベートバンクの実態が書かれていて、驚く面も。

「プライベートバンカー」の評価
知的興奮度
(4.5)
ストーリー性
(4.0)
読みやすさ
(4.0)
おすすめ度
(4.5)

トヨトミの野望

日本を代表する企業であるトヨタ自動車を舞台にした、ノンフィクションに近い本。

奥田前社長と豊田章男現社長の確執をメインに、実際にトヨタで起きた様々な事件や出来事をベースに書かれている物語。かなりリアリティがあるので、綿密な取材を元に、一部ストーリーや脚色を加えて書かれたと思われる。

そもそも2%しか株を持たない創業家の豊田家がなぜ未だに強い影響力があるのか、創業家・第二世代・使用人など人事はどうやって決まっているのか、会社レベルの意思決定がどういった仕組み・力学で決まっているのか、トヨタのこれまでの歩みなどなど、勉強になるポイントが沢山ある本だ。 

「トヨトミの野望」の評価
知的興奮度
(3.5)
ストーリー性
(4.5)
読みやすさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

継続的に興味を持った本を乱読しているので、また面白い本に出会ったら逐一紹介していければと思っているのでお楽しみを!

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