AI スタートアップのSensetimeが凄い

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昨日土曜日の午後、とあるカンファレンスに行ってきた。自分がオーガナイザーの一人として関わった、コロンビア大学のテクノロジーカンファレンスだ。

香港に住む大学の卒業生が集まって企画したイベントで、AIとブロックチェーンをテーマとし、スピーカーイベントや、スタートアップのピッチコンテストを実施した。

休日の午後にも関わらず、有料イベントに200名近くの人が集まってくれ、立ち見が出るほどの大盛況だった。

スタートアップとスピーカー何れも質が高く、とても面白かったのだが、その中で最も印象に残ったのがSensetimeのプレゼンだ。

Sensetimeとは

Sensetimeとは、AI技術のスタートアップで、AlibabaやTemasek等名だたる投資家から現在26億米ドル(=約2,900億円)の資金調達を実施しているユニコーンだ。最近では、自動車メーカーのHondaが提携したことが、日本では有名かもしれない。

ちなみに、世間ではSensetimeは中国の会社として認識されているが、香港の会社だ。香港中文大学の教授が、研究内容を元にして設立した。HPのトップページには、香港の行政トップであるCarrie Lamとの写真が幾つか載っている。

では、SensetimeがAIの技術をどのように生かして事業を営んでいるのか、見ていこう。

To C ビジネス

先ずはTo C、一般消費者向けを見ていく。

Sensetimeは一つのサービスとして、自分の写真にお絵描きをする技術を、パートナー企業のモバイルアプリ向けに提供している。Snap等で落書きをするイメージに近い。

面白かったのは、対象の人物を女性だと認識すると、自動で目を大きく、顔をスリムに、さらに少し小さめに表示すること。中国ならではのサービスと説明していたが、他国でも大いに横展開できるのではないだろうか笑

次に、動画上の人間の手や胴や頭などを認識し、それをライブで加工できる技術だ。例えば、下記のダンスしている人物の手や足等の大きさや形を自分の思い通りに変えて、それをライブで(タイムラグなしで)発信できる。つまり、自分とは全く異なる見た目の動画を発信できるのだ。

この技術が広まっていくと、世に出回るライブ動画の何を信じれば良いのかわからなくなってしまうかもしれない笑

この他にも、既に見たことがある人も多いと思うが、例えば、買いたい家具が自分の部屋にどうやってフィットするか、部屋の写真に家具を当てはめて確かめるデモや、TencentとコラボしてSensetimeの技術がキャラに使われている、中国でNo1のモバイルゲームのデモ等が披露された。

To B ビジネス Sensetimeの凄さ

ここまで消費者向けサービスを説明してきたが、僕が凄いと思ったのはTo B向けのビジネスだ。

以下の動画を少し見てほしい。

これは、Sensetimeの顔認証技術と街に設置されたカメラのシステムを繋いで、街にいる人を自動で特定するデモだ。

カメラに映された顔を自動で認識し、事前にIDなどで登録されている顔の特徴と照らし合わせ、誰がその場を通ったか特定する。何と、カメラにその人物が映されてから10秒足らずで、その人物がどこにいるのか探知されるらしい。

処理する情報量が多過ぎるので、人が行うことは不可能だろう。

この技術自体も凄いのだが、僕が一番驚いたのは、既に中国の深センで地元政府と協力して、この技術が現実世界で広く使われているという事実だ。
記憶が正しければ、深セン市内にある20万台のカメラが接続されているとのことだった。深センに住む約1,200万人の住人は、常に監視されていることになる。

Sensetimeの技術力もそうだが、それを取り入れる政府のスピード感も凄い。Sensetimeは2014年に設立されたまだ若い会社だ。

深センに行く時は、自分の行動には十分気をつけるべしと手元のノートにメモしておいた笑

他にもSensetimeは、Hondaとの提携内容に含まれている、自動運転に関する技術等にも取り組んでいる。さらに、Alibabaや香港政府と協力し、香港にAIのラボ(研究所)を設立している。

まとめ

以上、Sensetimeのデモに衝撃を受けたので、早速文章に落としてみた。内容をまとめると以下の通りだ。

  • Sensetimeは、約2,900億円を調達している香港生まれのAI技術スタートアップ
  • To C向けでは、写真にお絵描き、ライブ動画の画像を加工できる技術を提供
  • 凄いのはTo B向けビジネスで、顔認証技術を街の防犯カメラシステムに繋ぎ、10秒で人を特定できる。深センでは導入済

いかがだっただろうか。画像認識技術では世界で最先端をいく企業だと思うので、今後も継続して動向を追っていきたいと思う。

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2 Comments

香港生まれのユニコーン GoGoVanとは | Straight勝負

[…] 今回は、香港生まれのユニコーン・スタートアップであるGoGoVanについて、見ていきたいと思う。香港では、徐々に政府もスタートアップ育成に力を入れ始めてきた感があるが、GoGoVanは、以前紹介した画像認識AI会社のSenseTimeに続く、第二の香港生まれのユニコーン企業だ。 […]

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中野

こんにちは。

Sensetimeの記事を読ませて頂きました。

日本でもユーザの多いSNOWでも利用されてますね。

顔認識自体は世界中の大学や研究機関で、オープンソースによる提供がされておりますので、機械学習のみで様々な応用が可能になっております。
Sensetimeが飛びぬけてすごいかと言えば、もしAIのエンジンも全てゼロから開発しているのであれば、すごいかもしれません。
商用利用のツールだと台湾のUlseeも有名ですね。
またNECも商店街と組んで、万引き常習犯などのブラックリストなどを顔認識でアラートを出すシステムを運用してます。

今のトレンドのフルボディートラッキングですが、単眼RGBカメラですでにオープンソースにて配布されはじめましたね。
http://gvv.mpi-inf.mpg.de/projects/VNect/

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