この夏に読んだ本の中で、特に面白かったものを以下に紹介していこう。
以前はビジネス書を多く読んでいたが、最近は歴史について書かれた本をよく読む。過去の出来事やその背景を知ること自体もそうだし、それを現在に当てはめて新たな視点で理解したり、将来何が起こるのか想像力を掻き立てられて面白いからだ。
興亡の世界史 東インド会社とアジアの海
世界初の株式会社である東インド会社を切り口に、16-17世紀のヨーロッパとアジアの歴史や貿易を通じた関わりを描いた本。時間軸も空間軸も壮大で、とても面白い。当時の株式会社のスキームを知ることはもちろん、東アジアを中心とした歴史、特にどういう戦略や打ち手によってどの国が栄えたり滅びたりするのかを知っておくことは、ビジネスパーソンにも有用だろう。
香辛料を理由にヨーロッパ諸国が侵略したインドネシアの島に、日本で職を失った者が傭兵として雇われ、ふんどし姿に刀で現地人を虐殺した等、日本絡みの歴史も綴られている。
バブルの物語 人々はなぜ「熱狂」を繰り返すのか
1990年出版だが、今読んでも多くの学びがある良書。チューリップバブルを始め、過去のバブルを分析し、その原因やパターンを指摘している。少し前のビットコイン、そして現在進行中で終わりが近いと見られるスタートアップバブルにも当てはまる法則を説明している。
今後も何故バブルは定期的に引き起こるのか、何をもってバブルか否かを見極めるのか、この本を読めば理解できるはずだ。
アメリカを動かす「ホワイト・ワーキングクラス」という人々
法学者の著者が、白人労働者階級がなぜトランプを支持し、専門職エリートやそれが支持する民主党を嫌悪するのか、現在のアメリカの実態を綴った書。目から鱗の分析が多くて、とても勉強になった。
本書を読めば、アメリカのみならず、イギリスやここ香港、おそらくは日本も含めて世界的にどういう構造で何が原因で、ポピュリスト現象が起きているのか理解できるはずだ。
PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話
トイストーリーを始め、現在のアニメーション・ムービー界を席巻したPIXARでCFOを務めたローレンス・レビーの著書。ビジネスパーソンの視点で、倒産直前だったPIXARがIPOやディズニーへの売却と成功していく社内の様子が描かれていて面白い。
ただ、この本で特筆すべき点は、PIXARの投資家であったスティーブジョブズとローレンスの交流が綴られていることだろう。ジョブズがローレンスのボス・友人としての観点から書かれていて、彼のハートフルな面に触れることができる。純粋な読み物としても楽しめる作品だ。
もし興味を引いた本があれば是非読んでみてはいかがだろう?僕は面白そうと思ったら直ぐにKindle版を買い、後で気が向いた時に、本はKindle Paperwhiteで、雑誌や漫画はAmazon Fireで読んでいる。幾つか試した末にたどり着いた、おすすめできる方法だ。
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