ウォートンMBAのPE/VCカンファレンスに潜入

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現在、フィラデルフィアに来ている。

Whartonで開かれているPE/VCカンファレンスに参加するために、友人宅に泊まらせてもらっているのだ。

今週は、授業の第一週が始まったところで、参加したいプロジェクトの応募書類準備や、参加しているプロジェクトの作業に追われている。これに時差ぼけが加わり、十分な睡眠が取れていない。。。

先学期であれば、無理をせずにゆっくり寝ていたところだが、今学期は攻め込むことを決めたので、とりあえず走っているところだ。

さて、眠い目をこすりながら、朝9時から午後5時半までぶっ通しで、カンファレンスに参加した。

スピーカーは豪華なメンバーだったし、勉強になる点も多かった。参考までに、以下メモした点をご紹介していこう。

Wharton PE/VC カンファレンス 2014

Keynote1: Josh Kopelman氏(First Round Capital創業者)

今回最も面白かったのがJosh氏のプレゼン。

シード期のベンチャーキャピタル(”VC”)である「First Round Capital」の創業者で、それ以前は幾つかの主だったベンチャーを創業している起業家だ。

他PEのスピーカーが落ち着いていたのに対して、彼は楽しそう且つエネルギッシュに話をしていた。仕事が楽しくて好きなんだろうと思う。

VCで働く人にはこういう感じの、ポジティブな雰囲気をまとった人が多い気がする。未来を作る仕事だからなのだろうか。

彼がしきりに言っていたことが、

VC Provides Network effect for entrepreneurs.」。

つまり、「VCは起業家に対して、ネットワーク効果(投資先の数が増えるに連れて、投資先同士の繋がりが加速度的に増え、結果としてVCの価値が高まる)を提供している。」ということだ。

どうやら、First Roundでは、投資先のみが参加できるSNSを提供しているらしい。

そこでは、例えば、「社員を波風立てずに首にした経験」や「才能ある人材の情報」等が共有されているとのこと。何れもパブリックな場では共有しにくい情報だ。

そして、こういった投資先のコミュニティを活性化させるために、今年だけで4人も「コミュニティマネージャー」を採用すると言っていた。

要はコミュニティ活動を促進させる仕事の従業員のことだ。投資パートナーが10名弱なので、どれだけコミュニティー作りに力を入れているか分かる。

Keynote2: David Mussafer氏(Advent International創業者)、Keynote 3: Joshua Harris氏(Appollo Global創業者)

ApolloとAdventというトップPE創業者のセッション。

何れもファイナンスの世界でトップに君臨する業界の重鎮だ。

マクロ経済やそれぞれの会社の業績等、矢継ぎ早に数値でファクトを述べ、その上で見解を述べていた。

PEの現況や会社の説明は特に興味を引かなかったが(笑)。しかし、それぞれが最後、学生に送ったアドバイスは面白かった。

David氏は、人生で大事なのは、1. Something to do、 2. Someone to love、 3. Something to look forward というシンプルなことであると述べ、スピーチを締めくくった。

とても深いアドバイスだと思う。

一方Joshua氏は、キャリア選択について、

Consider upside and downside of the choice of your career. Then hedge the downside risk.」という如何にもPE投資家らしい持論を披露してくれた。

他に参考になった点は、David氏が述べていたPE案件のソーシング方法。

Adventでは、

  1. 業界の構造をマッピングする。 
  2. その業界のキーパーソンに連絡し、時間をかけて関係を築く。 
  3. グローバルに買収案件を見つける。

というステップを踏むと述べていた。

パネル1:サーチファンド

パネル1では、ディールソーシングとディストレス投資ではなく、サーチファンドのパネルに参加した。

先学期、コロンビアで行われた説明会を通じて、興味を持ったサーチファンド。一言で言うと、個人バイアウトと言える。

僕の理解では、「個人が投資家から資金を集め、必要に応じて銀行から借入を行う。そして、EBITDAで2-5億円ほどの会社を買収し、そのCEOになって通常5-10年くらいかけて企業価値を高め、売却してお金を投資家に戻す」というものだ。

特に起業のアイデアがなく事業分野にこだわりはないが、若くして会社を経営し、自らも株式を持つことで業績に応じて経済的対価も得られる、という仕組みだ。

以前、StanfordのHPにあるレポートに一通り目を通したため、特段目新しいことはなかった。

一つ特筆するとすれば、「サーチファンドのコミュニティが素晴らしい。」と登壇者が何度か述べていたことか。

バイアウトファンドと比較すると、業界がまだまだ拡大期にあり、業界内でギスギスした競争がないのだろうと推測した。もしくは、一つのファンドで原則1社しか投資しないので、案件を取る競争があまり無いのかもしれない。

パネル2:アーリーステージのVC

中規模ファンド及び新興国ファンドのセッションの中から選んだ。

参考になると思うので、パネリストのファンド名を挙げると、Tribeca Ventures Partners、Founder Collective、FuturePerfect Ventures、Maveron、BoxGroupである。

お恥かしい話、Tribeca以外は知らなかった。。。(笑)

僕が面白いと思って聞いたのは、BoxGroupの創業者であるDavid氏の話。他のパネリストと話す内容が異なり、徹底的に起業家の味方になる投資家なのだろうと感じた。

話していたこととして、

起業家は正しいVCを選ぶ必要がある。正しいというのは、会社に価値を与えてくれる人物という意味では、必ずしもない。悪いこと、つまり会社をつぶすようなことをしない人物のことだ。」

起業家がVCを選ぶ際に考えた方が良いのは、会社が上手くいかない時にVCがどう振舞うか、だ。過去の投資先で上手くいかなかった3社を紹介してもらい、インタビューしろ。」

等々、参考になった。

パネル3:レイトステージのVC

LBOとLimited Partnersの中から選んだ。

パネリストのファンドは、Bain Capital Partners、Insight Veutnre Partners、Polaris Partners。これにVCファンドへの投資家、つまりLimited PartnersであるPRINCOが加わった4つだ。

今回は全て認知していたファンドばかりだ。

彼らが何度か話題にしていたのは、投資対象のバリュエーションが上がった点。売上マルチプルで3-5倍、EBITDAマルチプルで8-9倍と言っていた。これだとバイアウトのマルチプルとあまり変わらない。。。

バリュエーションが上がった理由として、

「一部のヘッジファンドがPre-IPOの投資に加わったため、IPOのバリュエーションが上がった。すると、Pre-IPOで投資していた一部のVCが、レイトステージに押しやられた。その結果、レイトステージのバリュエーションが上がった。」と述べていた。

他には、VCを目指す学生に対してアドバイスも送っていた。

「君達がVCに入りたいのなら、自分が考えるベンチャー投資の分析資料をファンドに送ってみなさい。ベストなのは、それがまだ誰も投資していない会社であること。というのも、VCというのは、投資先を自ら探し、分析して投資するのが仕事だからだ。」

以上が、カンファレンスのメモだ。

最後に

今回僕が痛感したのは、「アメリカのPE/VC業界は、頭の良いエリート達が凌ぎを削っていて、層が厚い」ということだ。

今日のカンファレンスに参加していたパネリストは何れもトッププレーヤーだが、あくまで氷山の一角に過ぎない。

業界では淘汰が進んでいるところで、実力のある有力なプレーヤー以外は益々その姿を消していくのだろう。何というか、厳しい世界に触れたことで、もっと頑張ろうと思った(笑)。

驚いたのは、最後のパネルに登壇していたBain Venturesの投資家が、何とラーニングチームで一緒のMs. Gの夫であったこと。パネルが終わった後に挨拶をし、一緒に写真をとってGに送っておいた。世の中狭いですね。

 

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先ずはa16zの創業者である「Ben Horowitzの講演」。彼の書籍Hard Thingsの発売に合わせて、母校であるColumbiaでの講演を聞きに行った時のメモをどうぞ。

Ben Horowitzの講演

 

続いて、a16z等と並びアメリカ、引いては現在世界のVC界を牽引する、aで始まるVCの創業者の一人と電話で話した時の日記も書いたので、是非一読を。

米国トップVC創業者との電話

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