急成長中!ベトナムにおけるスタートアップへの投資環境

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今回は、この1年余りで急成長している、ベトナムのスタートアップ投資について見ていきたい。ベトナムは、アジアの中で優秀なエンジニアが多いことに加えて、国民も若くて多いこともあり、急伸している印象がある。

それでは、以下に詳しく見ていこう!

ベトナムのマクロデータ:人口が1億人近く、増加中で、若い

先ず、人口は約9,600万人で、東南アジアではインドネシアやフィリピンに次いで多い。その内73%がモバイル・ユーザーで、インターネットも67%まで浸透しており、これらの割合は年々上がっている。

人口で注目すべきなのは、年々1%ずつの増加率と、僅か30.9歳という平均年齢の若さだ。ちなみに、日本は▲0.2-0.3%位で人口が年々減少していて、日本は平均年齢が46歳くらいだ。違いは明らかだろう。

世銀によると、一人当たりGDPも年々増加傾向で、2017年には$2,342(≒26万円)と30年前と比べてなんと10倍に増加している。

金融関連のデータを見ると、僅人口の僅か31%しか銀行口座を持っておらず、クレジットカードについてはたったの2%のみだ。ベトナムでは、モバイル・ペイメントのスタートアップが多数立ち上がったのだが、その背景には高いモバイル普及率と低いクレジットカード普及率があるのだろう。

スタートアップ投資:2018年に総額が急増

投資金額が2017年から2018年に3倍へ増加

少し見にくいが、Founder Instituteが出しているレポートを見ていこう。

グラフを見てすぐに分かるように、2017年から2018年にかけて、スタートアップへの投資額が$291M(≒325億円)から$889M(≒1,000億円弱)まで3倍も急増している。2015年に件数が一気に増え、2018年に爆発した形だ。

一方、投資件数は2017年から変わっていない。

投資ステージ毎の件数と総額:M&AとPre-IPOが大半を占める

投資ステージ毎に分解して見てみると、シードやプレ・シードといった初期の投資件数が約半分を占める。一方、総額を見ると、M&AやIPO前のコーナーストーン投資が半分弱を占めていることが分かる。

数を見ると少なく見えるかもしれないが、シリーズBやCといったややレート・ステージの資金調達もそれぞれ5-6件あり、シードやシリーズAの件数と比較すると、割合として多い印象だ。結構な確率で生き残っている。

主なM&A:巨大化したテック企業が買手に

主なM&Aでは、シンガポールやマレーシア等に住む人なら誰でも知ってるPropertyGuru(不動産物件のマッチングサイト)によるBatdongsanの買収。東南アジアの雄であるGrab(ライドシェア等)によるmoca。傘下にEコマースのShopee等を抱えるseaによるFoody(食べログのイメージ)。VntripによるAtadi(オンライン旅行予約サイト)との合併がある。

分野毎では、フィンテックとEコマースに投資が集中

分野毎では、フィンテックが8件で$117M(≒130億円)、続いてEコマースが5件で$104M(≒116億円)だ。トラベルや物流、そしてエドテック(教育)にもお金が集まっている。(エドテックについては、$54M中$50Mが、オンラインで大学の学部教育や英語教育を提供しているTopicaに集中。)

スタートアップ・エコシステムの主なプレーヤー

ベトナムのスタートアップを牽引する主なプレーヤー達だ。地場と外国のプレーヤーが半々くらいのイメージだろうか。

VCと大企業の投資家には、日系の名前も確認できる。KK、IMJ、CyberAgent、DeNA、三井物産、住友商事、リクルート、NTT Dataなどだ。何れも、ベトナムに限らずアジアでよく耳にする面々だ。

まとめ

今回は、昨年から急速に盛り上がってきた印象のあるベトナムのスタートアップ投資環境をざっと見てきたが、いかがだっただろうか。

  • ベトナムは人口9,600万人を有し、毎年1%程度増加している国。国民の平均年齢も31歳と若い
  • 一人当たりGDPは、この30年で10倍に増加していて、2017年で$2,342
  • モバイルは73%浸透している一方、銀行口座保有率は31%と低く、クレジットカードに至っては僅かに2%の普及率
  • スタートアップ投資は、総額が2017年から2018年にかけて3倍に急増し、主にテック企業によるM&Aも起こっている
  • 分野では、フィンテックやEコマースに投資が最も集まっている
  • 2018年には、地場のVCが幾つか立ち上がっている一方、サイバーエージェントを始めとした日系勢もエコシステムの一員として投資を実施中

今年に入ってから、ベトナムの案件が幾つか手元に入ってきているので、自分もどこかのタイミングでこのエコシステムに入っていきたい。ベトナムのスタートアップは直近の2-3年で更なる盛り上がりが予想されるので、しっかりと注視していければと思う。

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