香港の大気汚染が深刻なのは本当か

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香港に戻ってきて、時々目がかゆくなったり、咳が出る時がある。元々花粉症でもなければ、喘息もちでもないので、大気汚染が理由ではないかと思っている。

天気予報では時々大気汚染の注意勧告があるし、スモッグがかかり遠くが見えないこともある。

ただ、実際のところ、過去との比較で悪くなっているのか、他都市と比較するとどうなのか、さらにはそもそも大気汚染の原因は何なのか調べてみたので、書いていきたい。

過去からの推移:視程

まずは過去からの推移について。

Hong Kong Observatory(香港天文台)が公開している、視程(肉眼で確認できる距離)のデータを調べた。具体的には、視界が8km未満の1年当たりの合計時間推移を見てみた。

すると、2011年をピークに毎年改善しているものの、未だ2000年以前の水準には戻っていないことが分かった。僕は2009-2013まで香港にいたのだが、当時から香港にいる友人に聞くと、以前よりはマシになったとのこと。確かにデータと一致している。

他都市との比較

続いて他都市との比較。
WHOに年当たりのPM10とPM2.5濃度に関するデータがあったので、調べてみた。(上記も含めてグラフは自分で加工)

すると、北京・上海・深センといった中国の他都市よりは低いものの、東京やシンガポール、ロンドンやLA等よりは著しく高いことが分かる。WHO Europeが定めるPM10とPM2.5の基準は、それぞれ10と20(ug/m3)で、香港はそれらより大幅に高い。

中国他都市はもはや人が住むべき場所ではないということだろう笑 東京では風邪等の予防でマスクを着用する人が多いが、中国では大気汚染対策でマスクをしている人が多いのも納得できる。あまりに高すぎるだろう。

香港における大気汚染の原因

香港の大気汚染は、主に広州にある工場から発された大気汚染物質が、風にのって香港に運ばれてくると聞くが、本当なのだろうか?

調べてみると、半分は正解で、残り半分は間違えのようだ。

というのも、冬の間は広州の工場が主な原因らしいが、夏は香港内に原因があるからだ。

大気汚染の要因分解を示したデータは見当たらなかったが、夏は主に火力発電所と車やバス等の排気ガスが原因とのこと。香港には、石炭とガスを燃料にした火力発電所が3つあり、これらが大きな原因になっているようだ。車やバスについては、道を歩いていると感じるが、排気がひどい。

対応策として、広州の工場は中国政府に対応を委ねることになるし、新たに原子力や太陽光エネルギー発電所を設立し火力発電の割合を減らすのは、コストと土地の面積を考えると難易度が高そうである。

一方、公共のバスやタクシーを電気自動車に変えることは可能そうだ。お隣の深センは既にそれを実行しているし、香港は日本等と異なり財政状況が良いので、補助金等も十分支払えるのではないだろうか?

これまで香港政府はTesla購入者に補助金を出していたので、おそらくTesla保有者が面積当たりで世界最多なのではないか。これを公共バスやタクシーに対して、BYD等の価格が低めの電気自動車に変える政策を打ち出せはしないのだろうか。

今回、香港の大気汚染について、幾つかのデータを元に調べてみた。結論は、大気汚染は年々改善してはいるものの、まだまだあるべき基準には程遠い状況であり、その原因は香港国内も大きいということだろう。

日本から近いという地理的条件や様々な文化や人が介在する街のエネルギー、海と山に囲まれた自然など多くの魅力があり、僕はとても好きな都市だ。だからこそ、大気汚染が東京やシンガポールの水準まで改善され、より住みやすい街に変化していくことを期待したい。

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